どんな健康食品

エゾウコギはどんな健康食品なの?

 

             北海道医療大学名誉教授 薬学博士  西部 三省

 

 

エゾウコギは朝鮮人参と同じウコギ科の植物で、中国のハルピンやソ連のサハリンなど北部と日本では北海道東部にのみ自生し、その根皮のエキスが健康補助食品として用いられています。

 

 

一躍有名になったきっかけ
エゾウコギには抗疲労や持久力増強効果などがあることから、これまでスポーツ選手を中心に愛用され、1980年代にソ連のオリンピック選手が飲んでいたということで一躍有名になりました。

 

長野オリンピックで金メダルをとった日本の有名な選手や、宇宙に2回いった日本人宇宙飛行士もエゾウコギを愛用していたということです。

 

 

優れた持久力示す
このエゾウコギの効果について、私たちのネズミを使った強制遊泳実験でエゾウコギを飲ませていたネズミのグループは飲ませていなかったグループに比べて40分も長く泳ぎ、優れた持久力を示す結果が得られました。

 

このエゾウコギには主な成分としてエレウテロサイドE、ピノレジノール、ジギルコサイド、イソフラキシジン、クロロゲン酸などポリフェノール化合物が多く含まれていることがわかりました。

 

 

β―エンドルフィン

 

さらなる研究からエゾウコギは脳の下垂体から脳内モルヒネといわれるβ―エンドルフィンの分泌をうながし、その血中濃度を上昇させ、これにより肉体的、精神的な苦痛やストレスを軽減することを見いだしました。

 

この効果がトレーニングや記録の向上などの効果につながったものと考えられます。

 

このβエンドルフィンは私たちの免疫に非常に大きく関係していることがわかってきました。

 

免疫機能をつかさどるB細胞やT細胞にはβエンドルフィンに対するレセプター(受容体)があり、このレセプターのβエンドルフィンが結合することにより、これらの細胞が活性化されます。

 

免疫細胞の司令塔であるB細胞やT細胞が活性化されるとNK細胞が増殖し、働きも活発になります。

 

 

免疫力増強
NK細胞は、健康の維持や病気予防にたいへん重要な働きを持つ免疫細胞です。

 

しかしβエンドルフィンの分泌やNK細胞の活性はストレスにより容易に低下し、免疫力が低下し、がんをはじめとする種々の病気にかかりやすくなってしまいます。

 

エゾウコギを飲むとβエンドルフィンの分泌が促されるということは免疫力増強の観点からも非常に注目すべきことです。

 

実際にドイツでエゾウコギを飲んだ人たちの血中のT細胞が偽薬(プラセボ)を飲んだ人たちに比べて有意に活性化されたという二重盲検法による臨床報告が出されています。

 

私たちの動物実験からもエゾウコギはストレスによる胃潰瘍、がん、うつ、ぼけを予防する効果があり、その活性成分の一つはエレウテロサイドEであることが明らかとなってきました。

 

このことはストレスが関与する種々の病気の予防にエゾウコギは効果のあることを示しています。

 

 

注目される成分イソフラキシジン
さらにエゾウコギに含まれるイソフラキシジンには鎮静作用があり、ストレスによる不眠にもエゾウコギは効果があると思われます。

 

エゾウコギに血圧を下げる効果のあることも知られています。

 

イソフラキシジンは血管の内皮中に一酸化窒素を産出させて平滑筋を弛緩させ、血管を拡張させる働きがあり、降圧作用にかかわる成分の一つもイソフラキジンではないかと推定されます。

 

 

ピノレジノール・ジグルコサイド
 エゾウコギに含まれるピノレジノール・ジグルコサイドには抗炎症、抗アレルギー作用が報告されています。

 

さらにこの成分は、大腸で腸内細菌によって女性ホルモン様作用をもつエンテロラクトンにかわることがわかってきました。

 

いま女性ホルモン様作用をもつ植物成分として世界的に大豆のイソフラボンが話題になっていますが、エンテロラクトンもイソフラボンと同じ様に女性の更年期障害の改善や乳がん、尿失禁、骨粗そう症、また男性の前立腺がんの予防などに効果のあることが認められています。

 

 

強力な抗酸化力
エゾウコギが強い抗酸化力をもつクロロゲン酸を大量に含んでおり、体に悪い働きをする過剰な活性酸素も取り除いてくれます。

 

これまでの研究結果から、エゾウコギはスポーツの持久力や集中力の向上のみならず、かぜ、高血圧、がん、アレルギー、ぼけ、うつ、更年期障害などをはじめストレスや活性酸素がその発症の要因とされる種々の病気の予防に効果が期待できます。

 

 

エゾウコギこそ現代のストレス社会にうってつけの健康補助食品といえるのではないでしょうか。