脳を若返らせ、記憶力を高める

エゾウコギの成分は脳を若返らせ、記憶力を高める

 

             北陸大学薬学部   毛利 哲郎 教授

 

 

通常、人の神経細胞は細胞の末端から伸びる樹状突起でつながり、ネットワークを構築しています。

 

しかし老化に伴い、つながっていた樹状突起が切れたり再生できなくなったりして、記憶が衰える原因となるのです。

 

 

しかし、シャーレの中で培養したラットの脳の神経細胞にエゾウコギに含まれる「シリンガレジノール」という物質を添加すると、神経細胞から細胞の活性を示す新しい突起が伸び、新たにネットワークを作ることが認められました。

 

 

この実験結果から、エゾウコギには一度低迷した記憶力をよみがえらせる効力があることを確信し、次への実験に進んでいます。

 

エゾウコギの成分を詳しく分析して「シリンギン」という物質を抽出し、それを朝のうちに10匹のネズミの腹くう内に注射し、別の10匹のネズミには生理食塩水のみを注射します。

 

そして、午後には一時的に記憶力を低下させるスコポラミンという薬物を全部のネズミに注射します。

 

以上の準備を整えた後、8本の通路の行き止まり部分に餌を置いた放射状の迷路にネズミを放してみました。

 

 

生理食塩水とスコポラミンを注射したネズミのほとんどは餌のある通路に入り、置いてある餌を食べて出た後、すぐにその場所の餌がなくなっていることを忘れて、また同じ通路に入り込む動作を繰り返しますが、「シリンギン」を注射したネズミの多くはすでに餌を食べてしまった通路を記憶し、その通路には二度と入らず別の餌のある通路を探し行動をとるということが分かりました。

 

 

また別の実験では、ネズミを箱型の小箱に水のある場所を記憶させた後、箱から出し、24時間水を与えず再び箱に戻したところ、「シリンギン」を与えたネズミは通常の半分の時間で水のある場所を見つけることがわかったのです。

 

 

これらの結果は、エゾウコギが老人性痴呆症やアルツハイマー病などに有効である可能性を示しています。

 

今後は、その開発を目的に更に詳しい研究を続けていきたいと考えています。